環 地球にやさしい木の住まい

平成19年に国が打ち出した「200年住宅」構想が注目されています。200年住宅とはいわゆる長寿命住宅で、その推進理由は無駄遣い削減。ほぼ世代替わりごとに建て替えられていく住宅はまさにお金そのものを、同時に貴重な建築資材・建材も無駄遣いしています。この構想はこの2つの無駄遣いを減らそうとするものですが、特に後半の無駄遣い削減は、現在の最重要課題である地球温暖化対策を目的にするものでしょう。

地球温暖化対策として私たちがアピールしたいのは木造建築・住宅の環境への優しさ。 まず、木材それ自体が優れたエコ・マテリアル(環境に優しい材料)であることです。 木は、地球温暖化の元凶物質とされるCO2を、生育過程だけでなく建築資材となっても大量に蓄えます。形を変えてもCO2を固定化し続けることから木は貯蔵タンクと称されるのです。また、製品化(製材)するときに消費するエネルギーや炭素放出量が、鋼材などと比べて無視できるほどに小さいこともエコ・マテリアルとしての大きな特徴でしょう。さらに、木は建築物としての使命を終えてもリサイクルされる途が大きく開かれています。

話は木材単体に留まりません。木材の集合体である住宅となっても環境に優しいのです。 は頻繁に、最近でも時折見かける「移転」は木造ならではの建築行為であり、リユース(再利用)の典型と言えるでしょう。 また、工夫することによって、木造住宅はその優しさを増します。 木の良さ・魅力をふんだんに発揮できるような木の使用法や空間づくりを考える。また、昔の民家に代表される伝統的家づくりを現代的に再生させることも一法かもしれません。いずれも、環境負荷が小さい、すなわち、エアコンなどを多用しない暮らし方に繋がる可能性を秘めているのです。

在来軸組工法の家を、できるだけ地域で採れた資材と人で数多く造り続けていく・・・そのことが地球環境に優しい家づくりに役立つ、そしてそれは木住協の活動目標とも軌を一にすると思われます。