改 居住性や性能を保持・回復させやすい木の住まい
小修繕から大規模増築まで、リフォームと称される建築行為の範囲は非常に広く、その種類はさまざまです。また、その目的も多様ですが、大きくは居住性と住宅性能の回復・向上に分けられるのではないでしょうか。 ロス貼替や水回り設備機器の更新は居住性回復・向上の例です。住宅性能の回復例は外壁のペンキ塗り替え。これは一義的には美観のためでしょうが、より大きな目的として、雨水侵入を防いで外壁の耐久性を新築時レベルまで回復することが挙げられるのです。
木造住宅のリフォームのし易さは以前から指摘されていました。その特質が最も発揮されるのは耐震改修です。非木造に比べると主要構造部に手を加えやすい。筋交いや耐震ボード、さらに接合金物を設けるのもRC造やS造に比べると簡便といえるでしょう。 えて、耐震改修計画を立てる手間が比較的少なくて済むメリットもあります。
同様に、間取りを変えやすいのも木造住宅ならではの特質。理由は耐震改修の場合と同じですが、特に大断面部材で主要構造を構成している木造住宅はリフォームの自由度が増します。間仕切り壁を除去しても構造上の問題は生じず、家族のライフステージに応じた間取りが容易に実現できるからです。
こうしたリフォームにおける木造の良さを消費者のみなさんに理解してもらい、知識を蓄えてもらうという目的で実施したのがリフォームに関する各種相談会や「住まいスクール」のリフォーム版です。特にスクールでは、いわゆる講習会だけでなく、参加者に「我が家のリフォーム計画」を具体的に計画してもらうような試みも導入しています。
リフォームの促進は「200年住宅」構想を支えるもので、今後ますますその重要さを増すでしょう。また、本県は耐震改修促進という喫緊の課題が突きつけられてます。私たちもこの課題に対し、耐震改修事例をまとめた本を刊行するなど、精力的に取り組んでいるところです。