経 地域の経済活性化に役立つ木の住まい
地元で採れたモノに地元の人が手を加えて造りあげる−これが地元が経済的に最も潤うモノづくりのスタイルです。 べるもの、着るもの同様、家づくりも大昔はこのスタイルだったのですが、現在は激変しています。徳島は住宅建設のパイが小さいから大手ハウスメーカーは来ないよと言っていたのは一昔、いや、二昔前。全国メーカーは軒並み支店・展示場を持って来県し、昨今はローコストを売り物にする新興ハウスメーカーに県内隈無く席巻されている始末です。地元に落ちるのは職人が得る手間代だけ、は言い過ぎでしょうが、少なくとも住宅建設による経済波及効果が減少しているのは間違いないでしょう。
この傾向に歯止めをかけ、冒頭に記した状態、すなわち、地元が経済的に最も潤う家づくりを推進することが私たち木住協の原点でした。徳島すぎなどの県産材を多用し、県内設計者が考えたものを地域に根付いた大工・工務店が建てていく−その家づくりスタイルを減らさず、逆に増やしていこうと関係者が共に決意し、協力し合うスクラムを組んだのが木住協の始まりだったとも言えるのです。
非木造に比べ比較的安い木造住宅ですが、それでも経済波及効果としては見過ごせない大きさを有しています。木住協の活動は、木造住宅の世界で働く私たち自身に対してはもちろん、県全体の経済状況に大きく影響を与えると考えられます。
最近「地産地消」という言葉をよく耳にします。この言葉は住宅建設に最もふさわしいと私たちは考え、発足以来様々な活動を展開し、県産材を多用した地元の大工・工務店による木の家づくりを推進してきました。その中で木材・林業家を中心にした地域の住宅建設システムを幾つか生み出すという副次的な成果を上げることもできました。
木住協は現在まで地域に根付いた活動をさまざまに展開してきましたが、今なおその歩みが道半ばであり、さらなる前進を求められていることだけは間違いないようです。